11月28日、東京高裁が同性カップルの婚姻を認めない現行法を「合憲」と判断。
この裁判は、性的マイノリティの当事者たちが「同性同士が結婚できないのは憲法違反だ」と国を訴えた東京2次訴訟。
今回の判断は、全国で進む6つの控訴審のうち初めての“合憲”判断となり、すでに5つの高裁が「違憲」と判断してきた流れから明確に逆行するものです。
「ただちに違法とはいえない」…その論理の危うさ
判決は一見、現状の不利益や差別が存在することを認めているかの様に聞こえます。
「性的指向に沿う取扱いは極めて重要」「同性カップルも家族の一形態として理解が広がっている」
ここまでは耳障りは良い。
でも、結論は「違法とはいえない」。
要するにこういうことらしい:
- 社会の理解が進んでないから、まだ違法とはいえない
- 国会も議論してる(進んでないけど)から、違憲状態とも言えない
- 事実婚として一定の保護がある
- 契約で代替できる部分もある
この「代替できるでしょ」みたいな言い分なんなん?
当事者の生活の現実には全く目を向けていないし。
そして判決文の一節
「このままの状態が続けば、将来的に憲法違反の問題が生じうる」
いや、未来じゃなくて「今」起きてるんだよ…って話。
「家族は男女とその子」
もう1つ大きな衝撃は、東京高裁が『婚姻制度は男女を基本単位としてきた』と述べた点。
特に「子どもの99%以上が男女の夫婦のもとで育てられている」という文言は、多くの原告を深く傷つけたんではないかと思う。
実際にトランス男性で子育て中の原告は「手が震えてメモが取れなくなった」と語っています。
いま存在している多様な家族を例外扱いし、「普通の家族=男女+その子」と裁判所が明記したことの重さは計り知れないと思います。
子どもがいない異性夫婦や、さまざまな形の家族すら軽視しているという指摘も出ているそうです。
まして同性カップルとなれば、家族としての存在そのものを否定されたに等しいと思います。
弁護団の批判「論理が噛み合っていない」
弁護団は「これまでの違憲判断を無視した異例の判決」と強く批判。
- 原告は「現行の子どもの保護制度そのもの」を否定しているわけではない
- 問題は「同性カップルだけが利用できない=排除されている」点
- なのに判決文は排除の不合理性を検討せず、「制度自体は合理的」で論を終えている
この噛み合わなさこそ、今回の判決の最大の問題だと弁護士団は指摘しています。
「差別の歴史を理解しない未熟な判決」
さらに、同性カップルが社会的承認を得られていないことを「制度がないから当然」と書いている点に対し、弁護団はこう反論。
社会的承認が得られなかったのは、異性愛と異性カップルだけを“正常”とみなしてきた長い差別の歴史のせいである。
なのに、承認が足りない現状をまるで当事者側の責任のように扱っているのは怒りさえ覚えます。
根本的な理解不足なのか完全に無視なのか。。。
政治の保守化と司法の変化
今回だけ急に流れがねじ曲がった感があると思うのはアテシだけかしら。
政権が保守化したことで、司法も空気を読んだのかな・・・。
それとも、この裁判長がアメリカの保守系最高裁判事のように、「法文を文字通りに読む」タイプなのか。
どちらにせよ、今の社会の変化や事実を十分に踏まえていないという意味で、今回の判断はかなり乱暴だったと言わざるを得ないと思います。
最高裁へ。闘いは続く
原告側は当然、上告する方針。
最高裁は早ければ来年度中に判断を出す可能性もあるそうです。
5つの高裁が違憲と認めた流れの中で、今回の東京高裁だけが真逆の判断。
次に問われるのは、司法の最高機関が社会の現実と現存の法律のバランスをどう見るかだと思っています。
👉 今日の投稿はこちらの記事を基にしています。|弁護士ドットコムニュース




コメント
コメント一覧 (2件)
私、人に寄り添っている態度を見せておいて、平気でうんこを投げつける様な人、大嫌いです。
政治回にもいますよね、私にもLGBTQの友人が沢山いますとか言って、平気にうんこを投げつけているような人。
Giroさん、こんにちは〜❣️
週末の今日もコメント有り難うございます🙏🏼
本当に歯痒い判決文でした。
元から最高裁の判断に委ねる、それだけの為に儀式的な感じで行われ続けてきたこの裁判。
最高裁に行く前に、政治の力で(国会で)解決して欲しかったと個人的には思っています。
司法で法律を作るのではないのは正しいとしても、司法が現法律が不適切・未達であるか無いかの判断は下ろせるはず。
議会も司法も最終的には誰のためのものなのかをもう一度考えて欲しい。
そう思いました。