ケベック州でまたもや信じ難いことが起きたんです。
『医師の報酬体系を変え、成果目標を強制し、達成できなければ制裁を課す「Bill 2」』が、強行採決で可決されたんです。
この法案が可決されてから10日。
にもかかわらず、Santé Québecは「まだ分析中」とコメント。
はい、可決してから理解するんですか?
もう一度言うけど、「理解できてない法律」を通したってことですよね?
これが“政策”の現場で起きている現実だと思うと、背筋が寒くなる。
2023年にケベック州政府によって設立された公的機関で、州の医療ネットワークの運営と調整を担う組織。
もともと医療政策全体を管轄するのは保健省(Ministère de la Santé et des Services sociaux)ですが、Santé Québecはその「実行部隊」として、病院やクリニック、地域医療センターなどの現場レベルの運営管理を統合する役割を持っています。
要するに、保健省が“決める側”で、Santé Québecは“動かす側”。
ただし設立からまだ間もなく、組織体制や権限の線引きも曖昧なため、現場との摩擦や意思決定の遅れが頻発しているのが実情です。
可決ありきの政治、崩壊寸前の現場
政府曰く、Bill 2の狙いは「医療効率化」。
でも、現場の医師たちからすれば、それは「時間内にどれだけ患者をさばけるか」という数字ゲームでしかない。
治療の質や人間としてのケアは後回し。
医療を“成果指標”で管理する時点で、制度の倫理はとうに崩れている。
その結果、125人以上の医師がオンタリオでの免許申請を完了し、200人が移籍準備中。
そして、長年ケベックの医療を支えてきたリオネル・カルマン保健大臣が辞任なんて言う結果を招いているんです。
政治的スローガンの陰で、医療の現場は大出血していますよー。
「理解中」の政府、沈黙のSanté Québec
Santé Québecの報道官は「法案の影響を理解するため時間をかけたい」と言うんです。
しかーし、これって時間をかけて理解すべきは法案を通す前だったよね?
理解も分析も追いついていないまま可決するのは、もはやガバナンスではなく政治的傲慢。
さらに、Santé QuébecのCEO、ジェヌヴィエーヴ・ビロン氏のコメントも笑えない。
LinkedInで「穏やかに前進しよう」「チームを支え合おう」と言うだけで、肝心の法案内容には触れない。
“穏やかに前進”という言葉が、もはや現場の悲鳴に対する冷笑にしか聞こえない。
医師を縛る鎖、患者を見捨てる刃
ケベック医師会(CMQ)は明確に警鐘を鳴らしています。
この法が現行のまま実施されれば、医療アクセスの低下とシステム破壊を招く
それでも政府は前のめりに突き進み、Santé Québecは沈黙し、現場の声は聞こえないふり。
結果としてBill 2は、医師を縛る鎖であると同時に、患者を見捨てる刃になりつつあると思います。
さいごの一言
ケベックが必要としているのは、成果目標ではなく信頼の再構築だ。
「分析中です」と言う前に、誰のための医療かをもう一度見直すべき‼️。
👉 【原文】10 days after gag order adoption of Bill 2, Santé Québec remains silent | CTV News
👉 【関連記事】What’s in Quebec’s controversial doctors’ bill? | CTV News





コメント