2025年8月にタイで放送が始まったBLドラマ『Shine(月の裏側で僕らは輝く)』について、今回は感想を書いてみたいと思います。
待望のマイル(パークプーム・ロムサイトーン)&アポー(ナタウィン・ワッタナキティパット)再共演という点だけでも、個人的にはかなり期待値が高まる作品でした。
重厚なテーマを扱いながらも、そこに描かれる愛の尊さがじんわり胸に沁みる作品でした。
都会で暮らす若者たちが直面する『愛、闘い、そして自分自身の「輝き」』をテーマに描くドラマ。
舞台は1969年〜1971年のタイ。
軍政下で多様性が社会に受け入れられていなかった時代を背景に、真面目な経済学者と自由奔放なヒッピー青年が出会い、対立しながらも惹かれ合っていく。
緊迫した政治情勢の中で芽生える静かな純愛は、暗い時代だからこそひときわ輝きを放ち、観る者の心に静かな感動を残します。
ℹ️ 作品基本情報
- タイトル:Shine(月の裏側で僕らは輝く)
- 国/ジャンル:タイ/BL・歴史ロマンス(社会派ドラマ)
- 放送年:2025年
- 話数:全8話
- 視聴プラットフォーム:U-NEXT(日本語字幕版独占配信)ほか、WeTV(オーケストラ版)、YouTube(一部無料版)などで視聴可能(地域により異なる)
✒️ あらすじ
1969年、タイ・バンコク。
フランス留学から帰国した若き経済学者のトリン(アポー)は、軍部の高官を叔父に持ち複雑な立場ながら、大学で教鞭を執ることになる。
そこで出会ったのが、裕福な家庭に生まれ奔放に生きるヒッピーの青年タンワー(マイル)。
同じ大学に籍を置きつつも対照的な人生を歩む二人は何かと衝突するが、ふとした出来事をきっかけにお互いを意識し始める。
やがて惹かれ合うトリンとタンワー。
しかし当時の社会は同性の恋を許さず、学生運動の嵐や家族からの圧力など、様々な障害が二人に降りかかることに…。
果たして抑圧の時代に芽生えたその愛は、困難を乗り越えて輝きを貫けるのか──。
❤️ 感想
抑圧された時代に静かに光る純愛の尊さ
Shineの魅力は、物語のスケールや派手さではなく静かに紡がれる純愛の尊さにあると思いました。
社会的メッセージ性が強く骨太なドラマだったんですが、登場人物たちの「好き」という気持ちが丁寧に描かれていて、胸にじんわりと沁みました。
重い時代背景があるからこそ、互いを想い合う二人の姿がもっと純粋で眩しく感じられたんだと思います。
ラストまで観終わった後、静かな感動と余韻が心に残ったと同感する人も多いはずです。
タンワーの底抜けな明るさと愛情が心に染みる
タンワーは典型的なヒッピーで自由奔放な性格。
その反面、根は優しくてチャーミングな青年です。
常に太陽のような笑顔を絶やさず、周囲の人を明るく照らしてくれる存在。
ちょっと天然で、好きになった相手のことを真っ直ぐに想う純粋さが特徴。
例えば、トリンを前に天真爛漫に笑ってみせる姿は見る者まで笑顔にさせ、張り詰めた雰囲気をふっと和ませてくれます。
また、彼は自分の大切な人を危険に巻き込みたくないあまり、一度は自ら距離を置こうとする健気な優しさも見えました。
それでも会いたさに夜中に相手のもとへ忍び込んでしまう大胆さもあって、その一直線な愛情表現には思わず心を打たれました。
自由奔放だけど憎めないタンワーの存在が、この重厚な物語の清涼剤だったと思います。
- 笑顔で周囲をぱっと明るくする
- 大切な人のために行動を惜しまない
- 相手を想うがゆえに身を引こうとする健気さも
トリンの揺れる心と変化の描写にグッとくる
一方、トリンは極めて真面目で理性的な青年。
そんな彼がタンワーと出会ったことで少しずつ平常心を乱され、変わっていく様子がとても丁寧に描かれています。
女性と交際した過去もある彼にとって、初めて男性に惹かれる戸惑いは相当なもの。
一度タンワーと衝動的に交わしたキスの後、眠れぬ夜を過ごし、本を読み漁って同性愛について必死に理解しようとする姿からも、トリンの生真面目さとその真面目さの余り押し寄せてくる不安が伝わって来ました。
そして、雨に濡れて無邪気に笑うタンワーにつられてトリンも思わず微笑んでしまうシーンでは、彼が恋に落ちた瞬間のときめきが美しく描かれていたワンシーンだと思います。
頑なだった表情が緩み、声のトーンが柔らかく変わり、少しずつ笑顔を見せ始めるトリンの変化は誰も見逃せないと思います。
その演技がまた自然で繊細なので、いつの間にか彼を応援していたくらいです。
- 張り詰めていた表情に笑みがこぼれるようになる
- 声色もどこか優しく穏やかに変わっていく
- 自分の想いに正直になろうと葛藤し始める
静かだけど濃密なケミストリー
このドラマのケミ(相性・化学反応)は、派手なラブシーンで魅せるタイプではなく『静かに燃える』タイプ。
常にベタベタとイチャイチャするわけではないのに、二人がふと見つめ合うだけで画面に緊張感と色気がみなぎります。
特にクライマックスで互いの想いをぶつけ合うシーンでは、押し殺していた感情が一気に溢れ出し、その濃密な空気感に思わず息を呑みました。
主演のマイル&アポーは前作『KinnPorsche』で培った抜群のコンビネーションを持っていますが、本作では演じるキャラクター像がガラリと変わり、新鮮なケミストリーを見せてくれます。
実は本作ではアポー演じるトリンが「攻め(トップ)」に回っており、前作とは逆の役柄になったことも話題になりました。
それでも二人の息はピッタリで、お互いの新たな一面を引き出すような絶妙な掛け合いはさすがです。
派手さはなくとも、目線や仕草ひとつひとつに愛情が感じられるようなじんわり系のケミが、本作の魅力を静かに支えていました。
映像美と俳優陣の熱演も魅力
『Shine』は映像や音楽のセンスも特筆すべきものがあると思ったのでちょっと。
1960年代当時の空気感を映し出す映像美は非常にスタイリッシュで、シーンごとの色彩や構図にもこだわりが感じられました。
劇中に流れる楽曲も雰囲気に合っていて、作品全体の世界観に浸らせてくれます。
また、俳優たちの熱演が物語に深みを与えている点も見逃せません。
主演のマイル&アポーは言うまでもなく素晴らしく、互いに全く異なるキャラクターを説得力たっぷりに演じ切ったと思います。
抑圧された時代に葛藤するトリンの繊細な心情を表現したアポー。
自由奔放に見えて脆さも抱えるタンワーを躍動的に演じたマイル―
二人の演技があってこそ、このラブストーリーにこれほどの厚みが生まれたのだと思います。
さらに、サブキャラクターを演じたソン・ユーク(クライルート大佐役)やユーロ・ヨッサワット(新聞記者ナラン役)といった俳優陣も非常に存在感があり、物語を盛り上げてくれました。
特に大佐と記者の禁断の関係はサブCPとは思えないほどドラマチック❣️
演じる二人の本気度/気迫には感服圧倒されました。
新人だそうですが、今後の活躍が楽しみになる圧巻の演技だったと思います。
主要キャスト・脇役問わず、俳優陣の本気度がひしひしと伝わってくるのもこのドラマの魅力。
本作で新境地を開拓した印象を残してくれたマイル&アポー。
今後もこのペアで新たな作品に挑戦してくれることを期待しています。
⭐️ 総評
- 点数:★★★★★(5/5・BLの枠を超えた社会派ヒューマンドラマの意欲作)
- 良かったところ:
- 対照的な二人が少しずつ惹かれ合っていく過程が丁寧で、純愛の尊さが際立っていた1960年代という異色の舞台設定と緻密な映像表現が作品に深みと臨場感を与えていた
- 主演二人をはじめ俳優陣の演技が秀逸で、静かなシーンにも強い感情が宿りドラマに引き込まれた
- こんな人におすすめ:
- 歴史や社会問題を背景にした骨太な人間ドラマが好きな人
- 刺激的なだけでなく余韻を味わえる大人のBLを求めている人
- マイル×アポーの再共演に胸を躍らせているファンの方
- 続編期待:
- 二人が歩むその後の人生(1970年代以降)もいつか描いてほしい。時代の変化の中で、あの恋がどう育っていくのかを見てみたい気持ちがあります。現実的に続編は難しいかもしれませんが、それほどキャラクターに愛着が湧くドラマでした。



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